第4章 scene4…暇潰し
「観世音菩薩…」
「おぅ、敖潤」
「向こうで二郎神が探していた…」
「そうか…少しお預けな?雅」
「どうぞ…行ってください??」
「わかった、あ、そうだ敖潤」
「……はい?」
「こいつの相手、してやってくれ、頼んだぞ?」
「ちょ……菩薩!?」
「…なんで俺が!」
「いいから、頼んだからな?」
そういって菩薩はその場を離れていった。残された雅と敖潤はどうするでも無く、ただ固まっている。
「…あ…あの、敖潤さん?」
「…なんだ」
「無理しなくて、全然大丈夫です。忙しいでしょうし……それに、まだ未熟な私…」
「俺でいいか?」
「え…?」
「菩薩の代わりになんてならないかも知れんが…それでも良ければ訓練くらい付き合う。」
「……いいんですか?」
「それが菩薩の命だと言うなら、下を育てるのも上官の務めだ。」
「…ありがとうございます」
そういってすくっと雅は立ち上がる。
「俺はどうすればいい?」
「私が死なない程度にお願いします。」
「ここでは死なんが?」
「…そうだった…」
「じゃぁ、行くぞ?」
そういって敖潤はスッと動く。気付けば背後をとられていた。
「これでお前は下界だったなら死んでるな」
「…はや…」
「だとしたら、身を守るにも、同時に敵を攻撃できるような物を身に付けたらいいだろう」
「……それって…私の回りに防護壁張る、みたいな感じのですか?」
「それだと敵に対して攻撃力は伴わない。自分守るだけなら少し強い妖怪なら切り崩してくる。」
「……そっか…」
「気を高く、高めながら、筒上にして上に飛ばしながら硬度を持つ。そのためには自分自身を守るのにちょうど手でぐるりと回すくらいでいいだろう。それを軸にして『あ…あの!!』……なんだ」
「もう少しゆっくりと…言っていただけると助かるんですけど…」
「…それは……すまなかった」