第4章 scene4…暇潰し
雅が天界に連れてこられて一週間が経った。それまでの間、『暇潰し』といっては菩薩が相手になっていた。
「もっと気ぃ集中しねえと、死ぬぜ?」
「ちょ…っ!!そんないきなり…!」
菩薩は遊んでいるのだが雅はいたって真剣だ。体力、攻防の仕方、回復力の向上…全てをいっぺんに行っていく菩薩。回りから見たら無茶以外の何者でも無いと感じるほどだった。
「もぉ……いい加減に!」
そういってしゅっと手を横に引いた時、菩薩の髪が数本切れた。
「へぇ、大分出るようになってきたじゃねえか…」
「ふぇ?」
「だぁから、出た事に一回一回驚いてたら次の攻撃が疎かになるって言ってんだろう、がっと!」
すんでの所で止めるもパチパチとしびれるような感覚になっていた。
「もぉ……手加減……」
「しねえよ?んなもん。襲ってくる妖怪が手加減してくれるような優しい奴らに思えるか?」
「…ですよねー」
「わかってんならほら、立て」
「ちょと!!ちょこっと休憩!」
「……フ…わかった。十秒な?」
「…鬼…」
「何か言ったか?」
そう話している時だ。