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凜恋心 ♢ 転生編 ♢

第27章 last battle…アンテ


「……何よ……」
「ぁん…?」
「遅いよ……三蔵……」
「…フ…それはこっちの台詞だ…」

涙を堪えながらも雅はゆっくりと顔を上げる。

「相変わらずだね…三蔵……」
「…お前もな…雅……てか…何勝手なことしてんだよ!!本当に学習しねえし…!力なんざ要らねえって言ってるだろうが!それに半年もこの俺に探させるなんざ、どういう了見だ!解ってんのか!」
「ちょ…!痛い!!」

思い出した余韻なんて全く無いかの様にハリセンが飛び出す。バシッと容赦なくきれいに雅の頭を直撃するとひと言、『よし』といいジープに戻る。

「っ…・・たぁぁ…良しじゃないし…いきなりぶつ事ないでしょ?」
「三蔵?もしかして…」
「後ろが狭くなっても文句言うなよ」
「え…じゃぁ」
「まぁ、文句があるなら雅に言え…」
「マジ?」
「聞いてる?三蔵!?」
「じゃぁ……」
「さっさとしろ、出るぞ」
「え……ちょっと!!待って…」
「良いですよ?ゆっくりで…」
「八戒……」
「……お帰り!雅!」
「悟空……」
「全く、まぁた俺フラれた訳?」
「悟浄……相変わらずだね」
「さっさと乗れって言ってんだろうが」
「あの…」
「雅?そろそろ乗らないと、三蔵が勝手にアクセル踏み出しますよ?」
「や…やだ!!」

そう言うと急いで荷物と一緒に乗り込んだ。

「あの……」
「なんだ」
「なんですか?」
「どうかした?」
「何々?」
「……ただいま」

そううつ向きながら挨拶をした雅。

「お帰り!」
「お帰りなさい」
「たく、おっせぇっつうの!三蔵めちゃくちゃ不機嫌だろうが…」
「誰のせいだ」

そんな相変わらずの会話と賑やかなジープ…

「ねぇ、三蔵?」
「なんだ」
「これからどこ向かうの?」
「バカかてめえは…」
「ム…だから!」
「西だ。それ以外にあるか?」
「…無いな」
「無いですね」
「次の街うまい店あるかな」
「西…フフ…そだね」
「美人なお姉サマいるかな」
「うるせえ!少しは黙ってろ!!」
「……平和ですねえ…それにやっと、僕たちに戻ったって感じでしょうか?」

そうして賑やかさを取り戻した一行は、あいも変わらず西に向かっていくのだった。
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