第27章 last battle…アンテ
「どうかしましたか?雅さん」
「……あの……最後に少しだけ……三蔵さんに…話しても良いですか?」
「…断る」
「すぐ!!終わるから…」
「八戒、出せ」
「嫌ですね」
「…てめえ…」
「どうぞ、雅さん?」
「……あの…私も連れてってください」
「何言ってんだ貴様は」
「大丈夫です!仕事も今朝ちゃんとやめてきましたし、家の大家さんにも話してきました。町長さんにも!!」
そう言う雅の言い分はまちがっていないのだろう。大きめな荷物が一つ、足元にあった。
「そう言う問題じゃねえ。俺たちは遊びじゃねえんだ。」
「…解ってる…でも!私の力も少しは役に立つと思う!!」
「力なんざ求めてねえんだよ」
「でも……ほら!一緒に居たらなんかお得なこともあるかも知れないし!!」
「……話になんねえ。八戒、出せ」
「嫌です」
何を言われても八戒は運転を拒否していた。
「殺されてえのか」
「言っときますけど、このまま出しても何の解決になりません」
「……チッ…」
「あの!…お願いします」
「断る…」
その最後の一言を聞いた雅はツカツカっと助手席に向かった。
「なんだ」
「だったら……だったらなんであんなことしたのよ…」
「三蔵なにしたんだ?」
「うるせえよ」
「言うのもやめて……忘れたフリして……このまま出逢わなかったって思いながら……そう思ってたのに……」
「雅……?」
そう言うとぐいっと法衣を引っ張り三蔵の唇に自身のそれを重ねた。