第27章 last battle…アンテ
「…ン…」
「……これで…おあいこでしょ?……バカ…」
「…ッッ…」
そっと肩に凭れながら小さくも、はっきりと伝える雅。
「もっとあなたといろんな物見たくて…傍に居たくて…知りたくて……でも、こんなの迷惑だからって思ったのに……好きにならなきゃ……良かった…」
「…雅……」
「悟浄?あなた、チェックメイトですね」
「…あぁあ」
そう言いながら荷物を取り、涙を堪えながらジープから離れていく雅。街には戻らず、そのまま外へと歩いていった。
「…チッ…」
小さく舌打ちをするとジープから降りる三蔵。
「おい、待て」
「放っといて」
そういい、歩くのを止めない雅。
「待てって言ってんだろうが…」
そういうと後ろから抱き締めた。
「いや…離して…」
「…うるせえ」
「…だって……迷惑でしょ?それなら放っておいて!このまま終わりにさせて…」
「誰が迷惑だって言った」
「…ッ…」
「それに終わりになんかさせてたまるかよ…」
「だって……」
「好きだって…お前の気持ち聞かなきゃ…進めねえだろうが…」
「…なにそれ…好きって言われたら誰でも連れてくってこと?!」
「…本当に脳みそ悟空並だな…」
「それって…」
「誰彼構わず連れ歩くかよ…」
「あの……三蔵さん…」
「いい加減それも慣れねえんだよ…」
そう言うとくるりと体の向きを反転させられた雅。
「後悔しても知らねえよ…?」
「後悔なんて……」
「それに…聞かなきゃいけねえこともあるし…」
「あの…何言って」
「だから…その鍵…開けてやるよ…」
「え……?」
「……愛してる…」
その返事もそこそこに三蔵は唇を重ねた。
カチン……
雅の中で何かが外れる音がした。ゆっくりと離れても、雅は俯きながらなにも言えない。
「……おい…」
しかし反応はない…
「おい……」
少しの間があり、ようやく雅は口を開いた。