• テキストサイズ

凜恋心 ♢ 転生編 ♢

第26章 battle20.5…溢れる心 (pov雅)


『明日この街を出る事にしました』


八戒さんから突然言われた…


仕方ないことなんだって言い聞かせるけど



ダメだ…



「三蔵なら宿ですよ?」


そういう八戒さんの言葉に、落胆した…

なんでだろう…逢いたくて……


ただ逢いたくて仕方ない…


この気持ちの正体を知ってるようで…知らないようで……


仕事が終わったのは夜だった。


家に帰るいつもの道ではなく私は宿屋に向かった…


「あれ、雅ちゃん、どうしたんだい?」

「知り合いが明日出るって言うから…挨拶に!」

「そうかい!」


そうして着いたのは三蔵さんの部屋の前。

ただ…急に来て困らせないか……
また怒らせちゃわないだろうか…?


そんなことがぐるぐると頭を回ってる……


「雅!!」


声をかけられた。皆揃ってる……


「どうしたんですか?」

「明日出発するからって……お別れに…」


どうしよう…


急すぎて…顔が見れない……


だけど、何故か悟浄さんと八戒さんが

悟空さんを部屋に押し込んでくれた……


「…そこ、俺の部屋なんだが?」

「…あ、ごめんなさい……」


避けたものの、このままじゃ何もいえない……


「あ…あの、三蔵さん」

「…なんだ」


言葉につまる……


「え…っと……その」

「いいたいことがあるならはっきり言え」

「……ッッ…あの」

「ハァァ…とりあえず中入れ」


部屋に促されて……


「お邪魔します」


中にいれてもらって椅子に座る三蔵さんは
法衣を上半身脱いでいつに無く、見たことの無い筋肉質が見えていた。


あ…


やっぱりかけてる…



指輪…いつもどおりに…




「えっと……あ、そうだ、少し前、妖怪来た時に助けてくれてありがとうございました…」

「そんな事か…」

「あとは……その…ホールで話してた時…怒らせちゃって……ごめんなさい」

「別に怒ってねえよ」

「……それから……えっと……」


あれ……なんで…
/ 77ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp