第23章 battle18.5…個性 (pov悟浄)
あー、それか…それ…雅んだよ……
今はまだ覚えてねえだろうけどさ?
ずーっと大事に持ってんだよ、
あの生臭坊主……
それから、自分のネックレスを取り出して…
これ…大事なものだと思う…
なんていわれるし…?
知ってるっつうの…そりゃ大事だろうよ…
あの三蔵からの初めてのプレゼントだ……
桜にまつわる言い伝えなんか話し始めて……
自分の知ってるのは残酷だとか…
聞けば誕生日にデートしたときに聞いた
八戒に聞いたって言ってた話だ…
「珍しいな。死体関係の話が好きだなんて…」
「だって…すごくきれいでしょ?桜の花。人の血が理由とか言い伝えとかって言ってもそれが妖怪でも、人間でも…大事な人が禁断な相手とかってしても…血はきれいなんだって思わせてくれる。」
「…クス……ちょーっと前におんなじ事言ってる奴がいてさ?」
そ、雅、お前だ……
それから話せば話すほど…似た事を言ってくる……
それから…
『きれいだと思うよ?』
「……きれい…か」
「だってその色が悟浄さんの血の色だとしたら、きれいだと思うよ?」
そう言い出して……
『それにそれって悟浄さんの個性だと思う…』
「……個性、ね」
「本当にごめんなさい!変なこと言って…」
「いや。そういわれたのは二度目だわ」
「そっか…」
「あぁ。」
そう、記憶無くても…雅の目には……
他の女と違う見え方してくれんのな…
同じきれい…でも……
個性だって……俺が半妖でも……
すげぇ勢いで肯定してくれる……
赤が嫌なんじゃねえ……
何もこの色にとらわれなくてもいい……
解ってんだけど……
あの坊主や、猿や…口うるせえ保護者みたいな奴に……
いくらいわれてても……
そうやって言ってくれる女は、やっぱ雅だけで…
何回出会っても…きっとお前はそういってくれんだろうね…
きれいな個性だ、って……
その度に俺は懲りもしないで…
恋するんだよな……