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凜恋心 ♢ 転生編 ♢

第22章 battle18…桜の記憶


くすくすと笑いながらも雅は話した。

「いい男、ねえ」
「うん。八戒さんも、悟空さんも…悟浄さんも。皆いい男!クスクス…」
「そこに三蔵は入らねえの?」
「…入れたいけど…入れちゃいけない気がして…」
「ん?なんで」
「この間…妖怪が来た時に見えたんです。普段は隠れて見えないんですけど……」
「何が?」
「……ネックレス。鎖の先に指輪が付いてたから…大事な人のだろうなって。でも一緒にいないから……形見か、遠い所に置いてきてるのかなって…」
「…そっか…」
「私も大切だって思う人がいたはずなんです。」

そういうと雅はそっと桜のネックレスを取り出し、握りしめた。

「これ…ずっと着けてるんです。なんでか解らないし、どこでどうやって手に入れたのかも解らないんだけど……すごく大切なものなんだろうって。」
「それ…見せてくんね?」
「え…?」
「あー、無理にとは言わねえけど…」
「いいですよ?」

そういって雅は首から外し、悟浄に手渡した。

「かわいいでしょ、桜って言う花なんです」
「知ってる」
「そっか、…そうですよね、ずっといろんな所旅してるんだし」
「桜の言い伝えって知ってるか?」
「言い伝え……私が知ってるのはちょっと残酷な話でしたら……」
「残酷?」
「うん。……桜の木の下には死体が埋まってるって言う。その血を吸って桜はピンク色なんだって……」
「それな。俺もそれ聞いたことある。」
「私も誰かに聞いたんです。…誰だったかな……完全にホラーな言い伝えなんでしょうけど。でも……その言い伝え、私好きなんです。」
「珍しいな。死体関係の話が好きだなんて…」
「だって…すごくきれいでしょ?桜の花。人の血が理由とか言い伝えとかって言ってもそれが妖怪でも、人間でも…大事な人が禁断な相手とかってしても…血はきれいなんだって思わせてくれる。」
「…クス……ちょーっと前におんなじ事言ってる奴がいてさ?」
「そうなんだ…」
「三蔵が言ってたけど…俺って半妖なんだわ。ハーフって言えばちょっとはかっこいいけどよ?」
「そうですね…」
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