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凜恋心 ♢ 転生編 ♢

第22章 battle18…桜の記憶


ふと散歩を兼ねて町を歩いていた時だった。

「あんれ、雅ちゃん?」
「あ、悟浄、さんですよね?」
「お、嬉しいね、イイ女に名前覚えてもらえて…」
「あー、誰にでも言ってません?それ」
「んな事とねえよ?クス…」
「それで、今日はどうかされたんですか?」
「んー、ちょっと散歩?」
「そうでしたか…」
「雅ちゃんは?」
「私もふらーっと…お散歩です!」
「じゃぁ一緒にどっか行く?」

そう誘われた。この軽い感じもどこか懐かしく感じていた雅はなぜか断れなかった。

「…あの…悟浄さん?」
「…あのさ、それ、やめねえ?」
「え?」
「百歩譲って悟浄さんは良いとしても……敬語。むず痒くて…」
「…そうですか?」
「あぁ。普通にダチに話すような感じで良いって」
「そっか……ありがと」
「そ、それでいい」

そういうとニッと笑っていた。近くの広場にやってくるとベンチに腰かけた二人。

「いいお天気」
「だな」
「……悟浄さんは…いつまでこの街に?」
「さぁ、三蔵が行くって言うまでかな…」
「…急ぎの旅ってわけでもない?」
「急ぎなのか……急ぎじゃねえのか……ま、それなりに?」
「そっか…」
「どうかした?気になる?」
「気になるって言うか……気にしちゃ行けないんだけど……」
「ん?」
「なんか……悟浄さん達と一緒に居るとって言うか…懐かしい感じがして……変だよね…」

そう話し出した雅。ゆっくりとたばこに火を付けて燻らせながら話を聞く悟浄。

「それに、話したじゃないですか…記憶が曖昧だって……」
「あぁ」
「それでも…なんか……落ち着くような……ずっと前から知ってるような……そんな感覚にもなったりして。だけどそれも本当なのかも解らないし」
「なるほどなぁ」
「それに、こんないい男の人相手だったら忘れないかも知れないし?」
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