第3章 battle3…愛しき夢
「らっしゃい!兄ちゃん!なにか要るかい?」
「……これ一つ」
そういいながらも三蔵が即決したもの。それはネックレスにするためのチェーンだった。
「鎖だけで良いのかい?」
「あぁ。構わん」
そう話ながら一本買うとその場で小指から雅のリングを外しチェーンに通した。
「三蔵!!早く!!」
「うるせえな」
「どうかしたんですか?」
「別に」
「……なに買ってたんだ?」
「…別に…」
「あれ、三蔵?雅の指輪は?」
「…チッ…」
めざとい悟空は何の疑いもせずに純粋に問いかけた。それで八戒と悟浄はピン…と来たのだろう。
「チェーン買ったなら悪いことじゃねえんだから言っちまえば良いのに」
「フン…」
「ちぇーん???」
「恐らく、傷つけたりするのが嫌でネックレスにしたんですよ。」
「そっちのが心臓に近くなるし『黙れ』……悪いこと言ったか?俺」
「そっか!俺てっきり落としたかと思った…」
「落としてたらこんなのんきにしてねえって、三蔵」
「そうだよな!!」
「さっさと飯行くぞ」
そういって三蔵は照れ隠しなのだろう。スタスタと歩いていってしまった。それを走りより近付いていく悟空。
残った二人は顔を見合わせること無く笑いあっていた。