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凜恋心 ♢ 転生編 ♢

第19章 battle16…鍵の在処


「あの、それで聞きたいことって…」
「あー、えっと」
「雅…さ、あの力って…」
「あ…あれ?ずいぶん昔に使えるようになって…それからずいぶん長い事練習して…この半年位である人から修行みたいなの受けて…」
「それで…」
「ん。初めはね…こんな力要らないって思ってたんだけど…」
「けど?」
「いつだったか…誰だったかな…それも個性だって言ってくれて…それも良く覚えてないんだけどね」
「…へぇ」
「今ではこの力、持てることがすごく嬉しいの。他の人にしてみたら奇異なものかもしれないんだけど…普通の人間だし」
「普通の人間、か」
「でも皆さんもすごく強くて……ビックリしちゃったんです。でも旅してるなら回りの妖怪にも立ち向かわなくちゃいけないですし…」
「まぁ、そうなんですけど…」
「てか俺たち妖怪だけ『このバカ!』……バカっていうなよな!エロ河童!」
「妖怪…?」
「…つか、何を隠す必要がある」
「三蔵さん?」
「悟空と八戒は妖怪。悟浄は半妖、俺はただの人間。そりゃあんだけ殺れるだろ」
「…えっと……半妖…って」
「あーー、人間と妖怪のハーフなんです。悟浄」
「そっか、だからあんなに強いんだ…」
「……驚かないんですね…」
「…あ」

今更ながら驚いていない自分に驚いている雅。

「バカだろ…」
「…ム…」
「全く…」
「あの……!」
「はい?」
「いえ…八戒さんじゃなくて…!」

その視線はまっすぐに三蔵をとらえていた。

「さっきからバカバカって……まだ会って数日の人捕まえてそんなに連呼しなくても良いじゃないですか!」
「バカにバカと言って何が悪い」
「そりゃ三蔵法師様にしてみたら同じ人でもバカかも知れませんけど!だからって言って良いこと悪いことありますよ?!」
「妖怪だ人間だ…それに何の価値がある」
「…そりゃ無いですけど…」
「価値がねえのか」
「そう言う意味じゃない!……ッ…とにかく!ばかばかいうのやめてください!」
「お前なぁ…」
「それに!私お前じゃありません!雅って名前があるんです!!」

そう。初めて出会った時の様な口喧嘩…ガタンと立ち上がると三蔵は『戻る』といい部屋を後にした。
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