第17章 battle15…バーサス
「いらっしゃい」
「本当にお邪魔して良かったんですか?」
「いいのいいの!」
「…ねぇ、唯漣、私やっぱり…」
「おいでよ!!」
「ねぇね!あの人たち!雅一緒にお茶してた人たちじゃん?」
「…ッ…」
その空間に少し懐かしさも感じていた。目一杯に手を振る悟空さん。穏やかにお茶をいれてくれる八戒さん。不機嫌そうにも黙々と新聞を読む三蔵さん。そして軽いノリの悟浄さん。
「えっと……お邪魔します」
「どうぞ、いらっしゃい」
そう促された。雅は空いている椅子に座って話をしだす悟浄と唯漣を見ていたがそわそわしてしまい、席を立った。
「あの……やっぱり私…帰る」
「どうかしましたか?」
「なんで帰るんだよ雅!」
「……え…っと…何でって言っても…」
「…好きにしたらいいだろうが」
「…ん、唯漣ごめんね?」
「ううん?私は大丈夫だけど……」
そういうとそっと耳打ちをした唯漣。
「せっかくのご縁じゃない?一緒にお茶した人との再会って……」
「そうかも知れないけど……」
「そっか……無理強いは出来ないもんね……わかった!私も適当な時間で帰るし!」
「うん、わかった」
そうして雅はゆっくりと扉を開けて廊下に出た。その時だ。外で叫び声がした。
「…え……なに?」
「よ…!妖怪だぁぁ!」
そう叫ぶ声がした。
「ちょっと、唯漣さん、待っててくださいね?」
「え…?でも…!」
「妖怪退治も仕事のうちってね!」
「だな!」
そう言って四人は部屋を出ていった。入り口に出るとキラッと眩しい光が視線を奪う。
「…ッッ雅?」
「マジかよ…」
四人の前にいたのは格段に力をあげた雅だった。
スッと横に手を振り払うかの様に引いては妖怪を切り、自身の回りを円で囲めば防護壁にもなる攻撃の筒柱が立つ。