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凜恋心 ♢ 転生編 ♢

第15章 battle14…懐かしい空間


「いるのか?その情報…」
「せっかくじゃないですか…」
「私は二十一なんです。意外と近いですよね…」
「フン…」
「雅さんのその口調…癖でしょうか?」
「え?」
「敬語。」
「そうじゃないんですけど…」
「だろうな。さっき俺に対して敬語の『け』の字もなかったし」
「…ふぇ?」
「自覚無かったのか…」
「…すみません」
「いえ、どちらかと言えばいいんですけど…」
「八戒さんのは?」
「僕のは地ですね。」
「そっか…私は…距離置きたいのかも知れない…」
「距離…ですか?」
「うん。少し話すと長くなっちゃうから…でも、誰か一人を私ずっと探してるんです。でも私は解らないから…見付けてくれるのを待ってるんですけど…」
「…そうですか…」
「…フ----…それで?」
「え?」
「もし仮に、見付けて貰えなかったらどうするんだ」
「それは仕方ないことなのかも知れないから…私も記憶が部分的に無くなってるし…相手の方も記憶無い私だと嫌になるかも知れないし…」
「自分で動こうとは思わねえのか?」
「記憶が…無いんです。今みたいに懐かしいなって思うことはあっても…ちょっと…特殊で……」

言葉を選びながら話している雅。それを重々承知で三蔵もまた話している。

「じゃぁもし、そいつ以外の奴にお前が恋愛感情を抱いたとしたら?それとも、その気持ちに嘘吐いてまで見つかるかも解らねえ相手を待つってのか?」
「私自身良く解らないけど…好きだなって思うのってすごいことだと思う。大切な誰かって言うのはたくさん居ても好きだなって思うのは本当に貴重な存在で…」

そういうと雅はそっと桜のネックレスを握りしめる。

「このネックレスみたいに、離せないのもなにかあるのかもしれない。もしかしたら大好きな人に貰ったのかもしれない…だから、信じたいんです。私が信じたいことを…」
「……そうか…」
「…クス…これ、誰だったかな…受け売りなんですけどね…強さとか、そういうのを信じるんじゃなくて…自分が信じたいものを信じるって……」

そういう雅の言葉を聞きながら、三蔵はふぅっとたばこを煙をふきあげたのだった。

「…あの、すっかり遅くなって…ごめんなさい…」
「いえいえ、僕は楽しかったですよ?」
「私もです。悟浄さんと悟空さんにもよろしくって…」
「はい。それではまた」

そうして三人はそれぞれ離れていったのだった。
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