第2章 scene2…菩薩の命(めい)
「ねぇ菩薩…」
「んー?」
「私、やっぱり菩薩の邪魔じゃない?」
「邪魔じゃねぇよ。今から付き合ってもらうし。」
その声にそっと笑う雅。少し離れた所で少し間をとると、すっと構えた菩薩。
「来いよ」
「来いって言われても…」
「あー、そうか…」
身の体制を整えると近付いてくる。
「攻防、全てを整えねぇとな。」
「…出来るのかな…」
「てめぇが自分の事信じてやれねぇでどうすんだよ。」
「そう…だよね。」
そうしてゆっくりと、しかし確実に力を高める事にした。それを遠くで見ていた西方軍の面々は口を揃えていた。
「あーあ、羨ましいな」
「本当に…」
「すごいな…観世音菩薩様に直々とは…」
そうしている時に二郎神は入ってくる。
「菩薩、そろそろ…」
「あぁ、解った」
「菩薩?」
「仕事だ仕事。」
「なんかお手伝いする!」
そう言って一緒に戻っていった。