第10章 scene9…真実
「だから…天界と下界だと、時間の軸が違うんだ。」
「…へぇ……」
雅のふとした疑問に菩薩は答えていた。
「だから、雅、お前がここに居るのは良く居て二ヶ月くらいだな」
「え……そうなの?」
「あぁ。じゃなきゃちょっとめんどくせえ……」
「そうなんだ…ん、解った。」
「その間にバリバリ働けよ?」
「それなんだけど……菩薩?」
「なんだ」
「お給料……私がここ出るまで菩薩が持ってて?」
「…ぁん?」
「その方がワクワクするでしょ?」
「なんだそりゃ」
「ね!」
そういって雅は仕事を始めた。一生懸命覚えてはそれを実践していく。ひとしきり終わると力の使い方の特訓に入る。誰に決められたわけでも無く、ただ自分の為に……
「よっと!!」
筒柱の攻防術は大分すんなり出るようになった。それに加えて力の消耗も押さえられるようになっている。
「菩薩、ここにおいででしたか」
「あぁ、敖潤か…」
「やはり、こうなりましたか…」
「フ…クク……お前の思った通りってか?」
「えぇ……」
「出来ると思ったから教えたんだろ?」
「…さぁ、それは解りませんよ」
「嘘がヘタだな…」
「…失礼します。」