第8章 scene7…疼く気持ち
「…ま…って…」
「嫌だ」
「菩薩…ッッ」
「知らねえなら教えてやるよ…」
そういいながらふと雅の顔に視線を落とす。ツーっと一筋の涙が頬を伝った。
「……やめた」
「…菩薩……ッッ?」
「…ハァ…泣くなよ」
「…泣いてなんか……」
「悪かったな…こんな強姦まがいな…」
「でも…菩薩……」
「いいから…ゆっくりと寝ろ。」
頭をポンと撫でて部屋に返した菩薩。
「……クソだっせえ……オレとしたことが…人の女に手ぇ出すなんてな…どんだけ餓えてんだって」
あの日、雅にマッサージと言って行って以来、菩薩自身が雅を見る目が少しだけ色を帯びていた。
「どちらかと言えば女なんて興味なかったんだがな。しかもあんな小娘…」
そうポツリと呟いていた。