第1章 せんせ
その次の日もくすんでる気持ちは変わらなかった。そんなとき、友達が「学校でバドミントンやろう!」と言ってきたのだ。
少し期待した。まだ
まだ居るのではないか。
それを直ぐに承諾し、準備に取り掛かった。彼女は明日遊ぶと言ってくれたので少し嬉しかった。
「なにやってんの…??」
友達が聞いてくるが私はあまり気にしない。木を登り職員室を見ていたのだが…
まだいる。それだけで気は明るくなった。
そしてアイツが気付き手を振った。私は優しいから振り返してやった。優しい。
そしてドアを開けこっちへこいとジェスチャーをした。
それに友達も行き、私も行った。
「どないなとこのぼってんねん自分!?危ないで!?」
一言目がそれだった。でも私はお腹の底からむずむずとした感覚で気にならなかった。
「もうあえへんかもしれへんからなぁ…少し話そうや」
友達はコイツが嫌いだったため、早く切り上げていった。
正直、私はまだ居たかった。
友達に「グラウンドで待ってろ」と言い、先生と二人っきりとなった。
言わなきゃ、後悔するな
「…先生に謝らなきゃいけないことがあるんだ」
「どないしたん?花瓶でも割ったか?」
違う、私が言いたいのはそんなことじゃなくて…
「い、今まで冷たくして悪かったな…わ、ワザとだよ。友達に…いや、そんな理由つけてはダメだな…
お、お前のこと嫌いじゃなかったんだぞ!!」
言いたいことがまとまらず、思わず顔に熱が集まる感覚がした。
「そんなこと言いに来てくれたん?律儀やねぇ」
「うるさい」
「意外と可愛ええところあんなぁ自分」
「鶴やって一番のくれたやろ?ほんまええ子やなぁ」
止まらないアイツに嫌気はささなかったが代わりに自分の顔に嫌気がさしてきた。
「もっとはようゆうてくれたら良かったんに…」
ニコニコと微笑むアイツ。
「うるさいです…さよなら」
「もうちょっとはなしーや!?」
しつこい。そう言えばこいつはこういう奴だったな…と最早諦めに近いため息をついた。
「先生!まだはなすんですか!?」
友達が勇気を出していってれる。
「ふふ、ええやろ?自分この子のデレみたことあるか?俺、見ちゃったんやで?」
凄く得意気な顔をするアイツ。本当に嫌になってくる。
「え、え、ぇええぇ本当なの!?」