第8章 年下幼馴染はご乱心✿保科宗四郎✿
宗四郎くんの実家で、宗四郎くんと宗四郎くんの父と私の父が言い争っている。
何故か宗一郎くんまでいて、彼は傍観しているだけだ。
女性陣は止めようとするが止められない。
「やから!美影ちゃんの気持ち考えたり!」
「昔からそうしてきたんや、気持ちとか関係あらへん。ちゅーか、さっきから美影ちゃんがお前のこと好きや言うとるだけで、お前はどうなんや、宗四郎。」
宗四郎くんの父が彼に問いかけると、宗四郎くんは黙った。
好きなんて言われてない、今まで一度も。
宗四郎くんだけに任せるわけにはいかないと私も言葉を発するが、宗四郎くんに止められる。
なんで何も言わせてくれへんのや…。
「あんな、ここ来る前に龍寧神社行ったんや。そこで急に眠なって寝てもうたら夢見てん。御先祖様…ほんで、私と宗四郎くんの前世。」
私の雰囲気が変わったのに気付いた宗四郎くんは止めることをしなかった。
ただじっと私を見ている。
「もううちら結婚せぇへんでええねんて。自分の気持ちに正直に生きやって…宗四郎くんと結婚してなって…やから私、宗四郎くんと一緒におりたい。」
誰にも渡したない、宗四郎くん以外のもんになりたない。
「好きや、宗四郎くん。私には宗四郎くんしかおらへん。宗四郎くんしかいらへんねん。やから…宗四郎くんの気持ちも聞かせてや?」
もう宗四郎くんの気持ちだけあればええ。他のもんは全部捨てたる。
宗四郎くんが出来へんのやったら、私がそうしたる。