第8章 年下幼馴染はご乱心✿保科宗四郎✿
参拝を終えるといきなり眠気に襲われてそのまま身体が傾く。
なんでこないにいきなり…。
ここは…夢?
白く眩しい空間に浮かんでいて、目の前に人型が浮かび上がっていく。
誰や?
「宗四郎くんと結婚してな?」
私…?
自身の声が聞こえて、それは目の前にいる私とそっくりな人から発せられたのだと気付いた。
隣には宗四郎くんにそっくりな人物。
だが、どちらも別人。
「君らの前世や。まさか、子孫に生まれ変わる思わんかったわ。」
宗四郎くんに似た人は彼によく似た笑顔でそう教えてくれる。
前世?子孫?なんや、めっちゃファンタジーな言葉使うやん。
何かを喋ろうとしても声が出なかった。
「君らが思う存分愛し合うてくれたら、僕らはもう思い残すことなんてない。せやけど、自分の気持ちに正直に生きや。押し付けるんはちゃうからな。」
もう無理やり両家が結婚しなくてもいいと言われた。
だけど、そんなの…どうやってあの頭の固い奴らを納得させる言うんや。
2人は仲睦まじそうに笑い合い消えていった。
「美影ちゃん!どうしたんや急に…体調悪いん?」
「宗四郎くん…?あ…ごめん、なんや急に眠なってもうて…もう大丈夫やで。」
ただの夢なのか、それとも2人が私を呼んだのかはわからない、だから無闇に言うのはやめておこう。
背中で揺られながら車へ向かっていく。
「宗四郎くん…愛しとうよ……離さへんから。」
首に回した腕に力を込めて密着した。