第8章 年下幼馴染はご乱心✿保科宗四郎✿
「宗四郎くん、起きて……起きてって!!」
「んぅ…まだ時間ちゃうやろ。」
飛行機の時間までは全然余裕なのだが、行きたい場所があった。
「り…龍寧神社、連れてって。」
あそこに私たちの御先祖様が眠ってる。
いつの時代の御先祖様があの誓いをしたのかはわからない、でも行きたいと思った。
「今日やなくてもええやろ、眠いねん……う"っ!?…アホ、死ぬ…。」
「随分とヤワな腹筋でして。」
お腹に座って早くと胸を叩くとその手を取られ、引っ張られて体勢を崩す。
「誰がヤワやって?美影ちゃんの方が柔らかいやろ?ん?」
彼の身体の上で散々お腹を擽られて酸欠になりそうだった。
寝起きいいくせに何をしてくれるんだ。
後頭部に柔らかいものが触れて起こされると、準備してくるからと洗面所に消えていった。
今、キスしたやんな?するんなら、口にしてやー!
慌てて洗面所に来て歯を磨く宗四郎くんの隣で、顎を出して目を瞑る。
だが、いつまで経っても唇は触れないし声も聞こえない。
目を開けると私を見たまま呑気に歯を磨いていた。
あ、歯ぁ磨いとるから出来んね、待っとるよ〜。
歯磨きを終わり顔を洗ってもする素振りは見せない。
終いには髪を弄り始める。
する気がないようなので、頬を膨らませて睨んでから洗面所を出ると笑い声が聞こえてきたので、もう知らないといじけた。