第8章 年下幼馴染はご乱心✿保科宗四郎✿
立川に来てから1ヶ月を過ぎた頃、宗四郎くんが明日明後日の非番を被らせてもらったから実家に行こうと言い出す。
説得をしに行くのだろう。
すでにチケットも取っているようだ。
やっと…やっと宗四郎くんといろんなこと出来る!
シャワーを浴びてリビングに戻ってくると宗四郎くんがソファに横になっていたので、上にうつ伏せになった。
「重いねんけど。なに?」
「重い言われたない。」
溜め息をつきながら持っていたスマホをテーブルに置き、その手はそのまま私の背中に回る。
「なっ…宗四郎くん?」
少し撫でホックを外すとパッと手が離れた。
「ほな、僕もシャワー浴びて来よかな。」
「……あっ!?」
大人しく上から退くと、服の上からブラを上に引っ張りずらしてから脱衣所に行く。
一緒に暮らしててわかったことがある、宗四郎くんも相当すけべだってこと。
そういうことするんならええもん、ブラ取ってやる。
ブラを取りソファに置いた。可愛くないやつじゃなくてよかった。
シャワーから戻ってきてソファの上にあるブラに気付いた彼は、アホやん…と頭を抱えている。
お返しやもん。
「ぎゅーしたい。」
両腕を広げて見上げると、宗四郎くんの目線は胸に行き、すぐに顔ごと逸らした。
着てるのはTシャツ1枚だ、確認はしていないがまあ…どうなっているかは予想出来る。
「無理や、つけたらしたる。」
「寝るからつけたない。」
寝る時は別々なのでナイトブラに変えているが…それは知らないはずなので、なんとかこのままハグを強請る。
「……帰ってきたら覚えとき。」
ソファに膝をつき頭を引き寄せられたので、お腹に擦り寄りぎゅうと抱きついた。
ボディーソープの香りがする。
「なにしとるん。」
服を捲って直接お腹に顔を擦り付けていると無理やり引き剥がされた。
もっかいと抱きつこうとしたが、許されなかった。
「あかんねんて…胸あたっとるんや…。」
背中を向けた彼を見て仕方ないかと諦める。
ちゅーか、あたる場所があかんねんかったら、体勢変えたらええやん。
つい出来心で、目の前のお尻に指を刺したら怒られた。