第8章 年下幼馴染はご乱心✿保科宗四郎✿
次の日は午前休を取ったから住所変更等をして来いと言われて、1人で市役所に向かう。
その後は郵便局に寄ってからお昼ご飯を食べて基地へと急いだ。
「そういえば、また副隊長絡みでなんかあったらしいぞ。まあ、あれじゃあしゃーないよな。銃器扱えない副隊長なんて…。」
訓練後、宗四郎くんと2人で食堂に向かっているとそんな声が聞こえたので、飛び出そうとしたら後ろから羽交い締めにされた。
「貴様らーー!!絶対許さへん!宗四郎くんより弱いくせに!!」
「こら、あかんて。我慢して言うたやろ。僕はええから…しゃーないねんて、今はまだ。」
宗四郎くんの姿を見たその隊員は慌てて逃げていった。
いくら宗四郎くんが大丈夫だとしても私は我慢出来ない。
大人しくなると腕を離し手を握られる。
その握られた手が痛くて、宗四郎くんも悔しいんだと気付いた。
「なんでも言うて。なんでも受け止めたるから。愚痴でもなんでも聞いたる!吐き出さなあかんよ…。」
ありがとうと返事をした彼はそのまま食堂へと手を引いていく。
ご飯食べて少し作業をしてから帰るのかと思ったら、先に帰っててと言われた。
まだ仕事するつもりなんか。
手伝えるものはないかと近付き、渡された書類の処理をした。
「一緒がええ!」
「無理。」
遅くなったから仮眠室で一緒に寝ようと思ったら、真顔で無理と言われてしまった。
諦めて別々で寝る。
やはり、近くにいるのに別々なのは寂しかった。