第8章 年下幼馴染はご乱心✿保科宗四郎✿
もぉ、わけわからん自分…。
一緒にいると辛いのに、近付くなと言われれば辛くて…一緒にいたいと思ってしまう。
ふと、先程の眼鏡の女性を思い浮かべた。
宗四郎くんの彼女…絶対あの人や、小此木"ちゃん"言うてたし。
オペレーションルームにはさっきいった、場所はわかる。
いた…やっぱりあの人はオペレーターだ。
「あの、小此木さん?ちょっとええですか?」
「えっと…あなたはさっきの…副隊長の彼女?さん?」
は?彼女はあなただろう、どういうこっちゃ。
わけがわからずにごちゃごちゃ考えていると黙ってしまっていた。
小此木さんが訝しげに首を傾げる。
この人じゃないとすれば…本当に亜白隊長と?
いや、だからと言ってそれを利用してるとは思ってないけど。
他の隊員は知らないので、他に候補がない。
「三浦美影と言います。本日から第6からこちらに配属されました。」
幼馴染だと伝え、彼女は誰なのかと問うてみた。
「えっ?三浦隊員なのでは?あなたでないのであれば、いないと思われますが……。」
そもそも彼はあまり色恋に関しては弾んだ話がないのだと…プライベートなことなので詳しくは知らないと言われた。
そうだ、あの人はいつも訓練ばかりしている。
その時いきなりオペレーションルームに入ってきた人物に声をかけられた。
「君は僕の監視下にある言うたやろ。」
私が来てからそんな経ってないぞ。
なのになんでこんな早く私がいるとこを突き止めたのだ。
「まあ、この基地内にいれば、どこにおるかわかるんやけどな。」
どういうこと…?
わけがわからないまま後退ると逃がさんでと距離を詰めてくる。
「話がある。はよ来い。」
「っ!いたっ…宗四郎くん痛い!」
腕を掴まれてそのまま引き摺られたが、痛いと訴えるとすぐに力を弱めて手を握る。
ごめんと呟いた彼に大人しくついていった。