第8章 年下幼馴染はご乱心✿保科宗四郎✿
「優しく言うとるうちに言えばええやん、なんでお前はそないに頑固なんや。」
それは宗四郎くんもじゃん。それに、もう怒ってる。
「嫌い…。」
「は?何がや。」
「宗四郎くん…。」
が怒ってるの。
少しくらい私の前でも笑顔を見せて。
「嫌いでええから、なんであないなことしたか言ぃや。」
それでも黙っていると言えやとものすごく低い声で睨まれる。
いつも私を怒る彼を好きになったが、怒らせたいわけじゃないし、そんな顔をさせたいわけじゃなかった。
でも私には好きな人を笑顔にする術なんて持ち合わせていない。
せっかく第3部隊に来て、彼と一緒にいれるのに…。
私が防衛隊に入隊する頃にはもう第6にはいなくて、彼は第3に引き抜かれた後だった。
「……なんでいつもそんな怒るん。」
「お前がいっつも問題起こして、何も言わんからやろ。」
だって、言ったって意味ないもん、怒られるだけだもん。
頬を膨らませながら未だにそっぽを向いていると、こっち向けとまた怒られる。目を見ろと…。
「目ぇ開いてへん…。」
「ほぉん?まあええ、それより今はなんで殴ったか聞いとるんや。」
先輩の男性隊員をボコボコにした。