第6章 私の旦那様✿保科宗四郎✿裏
そのまま副隊長室に戻って私をソファに座らせると、話しかけてええからなと言って椅子に座り机と向き合った。
「なぁなぁ美影ちゃん、僕のこと好きなん?……って、会ってへんかったしないか…。」
「えっと…好きです…。」
彼は驚いたように顔を上げ私を見る。
一目惚れしてずっと写真をもらっていたことを話した。
「へぇ、そうなんや……ほんなら…仕事終わったら抱いてええ?君に会うてなかったから、僕童貞なんや。させてや?」
赤紫の瞳で私を見つめてきた。
初めて見た、その目…。
というか、なんてことを言うんだ…別に私は抱かれたくて来たわけではないのだが…誰ともしていない彼が愛しくて堪らなかった。
コクっと頷いた。
正直、彼の気持ちがわからないので躊躇ったがその歳で童貞はさすがにアレだろうと思い了承した。
「あ、あの…別に誰かとしてもよかったんですよ…?」
本当は嫌だ、だけど親が決めた結婚だ、好きな人としてもらうのが一番だろうと自分の気持ちを押し込める。
「えーなんでそないな寂しいこと言うん?僕のこと好きなくせに…。」
二ッと笑った彼の顔がかっこよすぎて直視出来ず俯く。
意外と意地悪なんだ…。
その後休憩になりご飯を食べに行こうと言われついていくと、いろいろ食べさせられてお金も全て彼が払ってしまった。
終わったでーと伸びをしたのは夜中になってからだった。
「暇やったやろ、ごめんな。今日帰したら一生出来やん思て…。」
そう言って私の頬に手を添えてくる。
彼がしたいだけなのはわかってる。
だから、気持ちを求めてはダメだ。