第6章 私の旦那様✿保科宗四郎✿裏
記事?と聞かれたので、朝母たちに写真を撮っておけと言われて撮っておいたものを見せる。
「ん〜…これ、小此木ちゃんちゃう?」
「小此木さん…?」
オペレーターのリーダーの方だと教えてくれた。
どうやら仲がいいらしく、写真は慰労会の帰りだと思うと言う。
昨日慰労会やってんと八重歯を見せて笑う彼。
顔がいいと笑うとめちゃくちゃ可愛い…。
「なぁなぁ君、明日予定あるん?」
「特には…。」
明日は休みでどこかに出掛ける予定もない。
「ほな、今日基地に泊まって行かへん?」
え、部外者の私が泊まってもいいの?
久しぶりに会ったんやし、いろいろ話そうやと言われる。
どうやら彼は今日はこれから仕事らしく、放置することになるけど…と。
私はそれでも嬉しい。
好きな人と同じ空間に入れるから。
母に連絡を入れて了解のメッセージを受け取った。
「ほんなら、先に小此木ちゃんに会うか?」
「いいですけど…どうして?」
「ん?恋人や、疑われたからなぁ。」
別に疑ったわけじゃ…いや、疑ったのか?
揶揄っただけやと笑われる。
彼は私の手を握るとそのまま副隊長室を出ていく。
手…手がぁ…。
手を繋いだだけで心臓が張り裂けそうになるとは…耐性がないにも程がある。
「え?真っ赤やん?男、慣れてないん?」
「え…あ、えっと…慣れてないのもあるんですけど…宗四郎様だから…?」
「えーなんやそれ、可愛ええなあ。あ、宗四郎でええで、様なんて堅過ぎるっちゅーねん!」
そう言われて恥ずかしくて顔も見れずに俯く。
私に対して意外と好印象を持っているようだけど、どうして会ってくれていなかったんだろうか…。
オペレーションルームというとこにつくと彼は小此木ちゃんやと、彼女を引っ張り肩を抱く。
意外とその方とくっついたりするんだ…。
つい、胸がモヤッとしてしまった。
彼は小此木さんに無理やり離されるとそのことは気にしていないように、奥さんやと私を紹介する。
え、結婚のこと言ってないのにいいの?
「え!?副隊長ご結婚なされてたんですか!?しかもめちゃくちゃ可愛らしい方じゃないですか!」
宗四郎は小此木さんにせやろと返した為、胸がドキッとした。
ほな、戻ろかと言って私の手を握りオペレーションルームを後にする。