第5章 好きな人には愛されたい✿保科宗四郎✿裏
「もう痛くせぇへんから。ちゃんと慣らす。君を抱きたい。」
騙されるものか。
私をセフレにする為にそんな優しい言葉を吐くのだろう。
外で探すと言っていたくせに。
それでも首を横に振ると隣に横になり、私の肩を抱く。
「したいねんけど…君としたい。ほんまに優しくするから、抱かせてや…。」
絶対に絆されない。
もう僕のこと好きやないんか?と頬を撫でてきた。
私、抵抗してないのになんで無理やりして来ないんだ?
「さっきはあないなこと言ってごめんやん…君がセフレならん言うからイラついてもうただけなんや…。」
額を私の顬に擦り寄せてくる。
まるで甘えてるみたい。
亜白隊長にもこんなことしてたんだろうなぁ…比べられるのは嫌なのに自分で亜白隊長のことを考えてしまう。
もし本当に私としたくてそんなに甘えるくらいなら、好きだくらい言ったらどうなんだ。
信じられるはずないけど…言ってくれたら絆されたフリしてあげるのに。
「まだ……まだ好きですよ…。」
「っ!?ほんまに!?よかった…。」
ち、近い…。
ガバッと起き上がって私に覆い被さり、鼻がつきなそうな程至近距離で見つめてくる。
肩を押して離れてもらった。