第5章 好きな人には愛されたい✿保科宗四郎✿裏
「ええ…しやんくてええから、今日はここにいてや…。」
なんなんだ、させろと言ったりしなくていいと言ったり…未だに手は離れないし…。
「うっ…重い…苦しい…。」
上に乗っかられてギュッと抱きしめられた。
「ほんまにごめん、美影…僕もう亜白隊長のことは吹っ切れたから…君がええんや…。」
名前……。
だけど、あんなに亜白隊長が好きだったのだ、信じられるはずもない。
「触ってええ?痛いことせぇへんから…。」
起き上がり私の腰に跨って脇腹を撫でてくる。
私はただ…あなたの口から好きと聞きたい。
「他に言うことないんですか?言ってくれなきゃ触らせません。」
私の言葉に彼は首を傾げ、ごめん?と呟いた。
私は首を横に振る。
「私は好きと言いましたよ。」
副隊長は驚いたように目を見開きいつもは見せない瞳を見せると、すぐに弧を描き微笑む。
「好きや、美影が好きや。」
ゆっくりと腰を折り顔を近付けてきたので目を瞑った。
また好きやと呟いた彼の息が唇にかかり、重なるのを待つ。
なんで私を好きになったのかは知らない。
本当に好きなのかも知らない。
だけど、絆されてあげる……あなたが大好きだから。
その後は優しく激しく時間をかけて抱かれた。
全然痛くなくてびっくりしたくらいだ。
「美影の喘ぎ声、ほんまに可愛ええなぁ…あん時、喘がせればよかったわ。」
「副隊長も、あんな優しく出来たんだ…。」
「当たり前やろ、僕を誰だと思ってる。宗四郎やで…僕、宗四郎やで…?」
私の胸の上に顎を乗せて見つめてくる彼に首を傾げる。
「宗四郎…?」
「うん、僕、宗四郎。覚えたか?」
意味がわからずに首を傾げる私に宗四郎は笑った。
_______________....end.