第5章 好きな人には愛されたい✿保科宗四郎✿裏
副隊長室について私の手を引きながら椅子に座る。
いい加減腕を離して欲しい、めちゃくちゃ痛い。
「今度は市川か?僕とは違うて若くて顔がええもんな。」
いや、それはあなたもでは…?
というかそれ、嫉妬…?
そんなことありえるわけないと、その考えを振り払った。
勤務時間はとっくに過ぎているのだ、帰らせて欲しい。
「上官命令や、行くぞ。」
は?
いや、どこに…。
掴まれている腕がまた引っ張られて、彼はスマホ等を持って副隊長室を出ていく。
基地を出て近くのマンションに連れて来られて、どこなのか聞くと僕の家だと答えられた。
家になにしに?
部屋に入ると寝室のようなところに来てベッドに押し倒された。
する気?私はしないと言ったのに…。
「上官命令を悪用しないでください。」
「ふっ、そやな。ほな、上官命令やなくて…僕に抱かせてくれや。」
無理に決まっている。
そもそも1回だけだとあなたも言っていたじゃないか。
首を横に振って拒否する。
「君に拒否権なんてない。前に抱いてやったやろ。」
君?
ずっとお前と呼んでいたじゃないか。
またあんな風にされるの?道具みたいに扱われるの?
2回目はさすがに嫌だ。
好きだからと言ってなんでも許すなんて思わないで。