第33章 11月21日。✿保科宗四郎✿裏
着替え等を入れた鞄を奪われ、手を引かれて基地を出ていく。繋がれた手はきつく握られ、到底逃げることなんて出来ない。
副隊長のマンションに着くと、玄関の扉を閉めた瞬間、唇を奪われた。ぎゅっと目を瞑って、唇も閉じる。
「……ちゅーあかんの?」
こじ開けようとした舌は離れて、上から眉を下げて上目遣いをしている。未だに混乱している。副隊長はどうして私を誘ったのか、副隊長の気持ちはなんなのか…。
ここまで来て、拒めない…。
「美影、好きやよ」
降ってきた言葉に驚いて顔を上げると、唇が重なり、舌が絡んだ。
「っ……すまん、嫌やったか」
「すっ、すみません!」
絡んだ舌が熱くて、驚いて…噛んでしまった。すぐに離れた副隊長は口元を押さえて、中に入っていった。
どうしよう…怒った、よね?今日は副隊長の誕生日なのに、なんてことをしてしまったんだろう。
慌てて追いかけてリビングで副隊長が止まったので、その場で膝をついた。額を床に擦り付ける。何度も謝って、副隊長が反応するまで顔を上げなかった。
「ええて…僕こそごめんな。したない?……さっきの、ほんまや」
さっきの…?私を好きってやつ?
肩に触れた副隊長の指が頬に触れ、顔を上げられる。副隊長の顔を見つめると、赤紫が悲しげに揺らいでいた。