第32章 Changing Love✿保科宗四郎✿裏
優しい眼差しを私に向け、親指で下唇をなぞる。次の瞬間、宗四郎の顔を見て息を呑んだ。苦しげに儚く笑っている。やはり、私とするのはきついだろうか。親友の婚約者みたいな者だった私。
「ご、ごめんっ、嫌なら…」
「嫌とかちゃう。ただ、笑うて欲しい…」
笑う…いざ意識すると、笑い方を忘れてしまったかのように、頬が引き攣る。さっき…屋上でどんな風に笑っていたっけ?口角を上げて、ニコッと笑ってみせた。
「ふっ、ははっ!怖いわ!全然笑えてへんわ。……ベッド行こか」
大口を開けて八重歯を見せた宗四郎は、私の手を引いて、寝室の扉を開けた。ここに踏み入れば、何もかもが変わる。それでもいい、前に進めるのであれば__。