第30章 嫌い…だと思っていた✿保科宗四郎✿裏
「母さん父さん、僕、美影連れてくわ。別にええやろ?離れたないねん」
最もらしい理由を並べてご両親に伝える宗四郎さん。でも、なんの為に私を連れて行きたいのかわからない。私が行きたいと言ったから?よくわからないが、結局準備なんて終わるはずもなく、私は後から1人で行くことになり、食卓を囲む。
少し早めの夕食。宗四郎さんが帰る前に私の料理を食べたいと言ったからだ。美味いでと笑顔を見せる宗四郎さんを見て、胸が温かくなる。結局宗四郎さんの家に行っても、一緒にいれることは少ないだろう。それでも、ここにいるよりは一緒にいれるかもしれない。冷たい態度を取られても大丈夫だと、自分に言い聞かせた。
ご飯を食べ終わって少し部屋で2人きりになる。後10分もすれば宗四郎さんは帰ってしまう。やだな…一緒にいたいな…もう完全に惚れてしまいましたよ。