第30章 嫌い…だと思っていた✿保科宗四郎✿裏
ご飯を食べ終わってご両親と話す宗四郎さんの隣でニコニコ笑った。袖を軽く引っ張ってこちらを見た彼に笑顔を向ける。こんなのでいいのだろうか…ろくに恋愛をして来なかったからよくわからない。
夜になれば宗一郎さんも帰ってきて、宗四郎さんは機嫌が悪くなる。宗四郎さんが宗一郎さんを嫌いなのは知らなかったな。宗一郎さんとは何度か会ったことがある。関西で活動しているので、何もなければ非番の日にたまに帰ってきている。
宗四郎さんがお風呂に入っている間にご両親は寝室へ行き、宗一郎さんと2人きりになった。
「美影ちゃん、ほんまに宗四郎好きなん?宗四郎もなんや、邪魔くさがっとるし」
演技なんてしなくてええんちゃう?と言われてしまった。ご両親にはバレていないはずなのに、まさか宗一郎さんにバレてしまうとは…宗四郎さんがそうして欲しいみたいなのでと返した。そうかと言って宗一郎さんはそれ以上聞いて来なかった。
宗四郎さんがお風呂から戻ってきたので私もお風呂に入って、リビングに戻ってくると誰もいなかったので、部屋に行くか迷う。今日は宗四郎さんがいる、一緒にいても邪魔だろう…とは思うのだが、仲が良かったら一緒に寝るかと思い部屋に向かった。