第29章 花を散らす✿市川レノ✿裏

ごめんと言いながらレノは私の肩を押して倒れさせ、上に覆い被さってふにっと唇を重ねた。確かめるように唇を舐めてきたので少し口を開けると、隙間に舌がゆっくり入ってきて擽るように絡み合った。

絡ませていると激しくなって、ぬるぬると舌が蠢く。鼻にかかった声が漏れて恥ずかしい。レノの唾液が口の中に入ってきて零れそうになる頃、ゆっくり離れていく。舌と舌が唾液の糸を引いた。

「美影、好きだよ…触っていい？」

脇腹を撫でれてピクッと反応してしまった。息を荒くしながら頷くと、脇腹を撫でていた手がゆっくり胸を包み込む。優しく揉みながらまたキスをされて、必死に応える。

胸から離れた手が優しく私を抱き抱え、背中のファスナーを下ろした。ゆっくりと腰までワンピースを下ろされ、胸を腕で隠してしまう。レノはその腕を寄せることはせずに、お腹に何度もキスを落とす。擽ったい…。

お腹から移動した唇は指先に触れ、あむあむと食んでから軽く舐めた。ゆっくり腕を離してバンザイするように頭の上に落とした。

「可愛い下着…最初からするつもりで来たの？えっちだね」

恥ずかしくて目を瞑り顔を逸らす。見せてと顔の位置を戻された。美影も可愛いよと甘い言葉を吐く。きっと、こんな甘い彼は私しか知らないだろう。