第29章 花を散らす✿市川レノ✿裏
家につくとお風呂入る?と聞かれてどうしようか迷う。見せたい下着を着てきてしまった。そりゃあ、するならお風呂入ってからだよね…そのまま着ようかな、シャワー浴びてから着たものだし。
頷いて別々に入る。さすがにお風呂は難易度が高かった。これからするのに、大丈夫だろうか…。レノ…と呼びながらソファに座るレノに抱きついて、髪に擦り寄る。
「俺まだ風呂入ってないから…汗とかすごいし…もうちょっと待って?」
うんと返事をして離れる。別に気にしないんだけどな…汗すらも好きだよ。髪乾かしてとまた脱衣所に戻されて、洗面所でドライヤーを渡される。どうやらレノはそのままお風呂に入るようで、気にしないでとすぐ近くで服を脱ぎ始めたので、慌てて目を逸らし見ないようにする。後でちゃんと見るから…今見たら出来なくなりそうで怖い。
髪を乾かし終わりリビングに戻って、ベッドに座った。ワンルームのレノの部屋は結構広くて、ベッドもシングルではないだろう。ダブルくらいかな…。枕に顔を押し付けた。ごめんレノ…変態な彼女で。レノの匂いがする、やっぱりすっごい好きだなぁ。
どのくらいか堪能しているともうレノが上がってきて、慌てて何もなかったかのように座る。
「なんかしてたの?目合わせてくれない…」
バレてる…言えないことしてた?と笑われて、顔が熱くなっていく。こうしてた…とまた枕に顔を埋めて固まる。なんで素直に答えてるんだろう。引いてもおかしくないのにレノは勘違いしているようで、眠いの?と聞いてくる。
「レノの匂いするから…」
「…本物の匂い嗅ぐ?」
起き上がって腕を広げると目の前まで来てくれたので、ぎゅうと抱き締めてお腹に顔を埋めた。柔軟剤とせっけんの香りがする。顔を上げてじっと見つめた。首の匂い嗅ぎたい、そこが1番レノの匂いがしそう。