第27章 私の安眠法✿保科宗四郎✿
「すまん、髪乾かせ言うん忘れとった」
お風呂から上がってきた副隊長は、ドライヤーを持って私を床に座らせた。表情には出さないようにしているが、心の中は…お風呂上がりの副隊長かっこいいー!しかなかった。
ソファに座った副隊長に足で挟まれてドライヤーをかけられる。あ、この体勢で乾かしてくれるのですか…心臓壊れます。髪やらかいなぁ…と軽く髪に触れながら呟く彼の声は聞こえないフリをした。
髪を乾かし終えたのか自身の髪を乾かし始めている。のはいいのだが、足を身体の前に回され、がっちりホールドされている。何故?別に逃げないのだけど…。足を動かす度に胸に当たりそうになって、めちゃくちゃヒヤヒヤした。
ドライヤーの音が止み乾かし終えたのか、ドライヤーをテーブルに置いた副隊長は、足を離して脇に手を滑り込ませて私を持ち上げた。そしてソファの上に仰向けにされ、頭は副隊長の膝に乗っている。不整脈が治まらない。
「甘やかしたるで〜。やぁほんま可愛ええな、いっつも頑張っとるしほんまにええ子やね、三浦は」
これはいっぱい褒めるということを実践されておられるのでしょうか…頭を撫でられて褒められて、悪い気はしなかった。
髪も綺麗やし好きやわぁと副隊長とは思えない程の甘い声を出されて、勘違いしてしまいそうになる。裾を気にしながら褒め倒す副隊長にドキドキしていた。