第27章 私の安眠法✿保科宗四郎✿
「風呂沸かしてくるから寛いどって」
え、本当にするの?と若干不安になりながら、上げてもらった副隊長の家をまじまじと見渡す。本がいっぱいある。部屋も綺麗にされていて、清潔感があり落ち着く。
副隊長が戻ってきて、服は洗濯して乾燥かけるからと言われて、お泊まり?とまた不安になった。大人しくついてくるんじゃなかった…。というか、乾くまで私は全裸ということ?さすがにそれは無理なのだが…。
ソファに座らせてもらって隣に座った副隊長が、変なことをしないから触れてもいいか聞いてくる。どこに触るのかわからないが頷くと、優しく抱き締められた。
「ぎゅーてされると幸せな気持ちならへん?」
わからない…ただ心臓が痛い。副隊長で若くてイケメンの彼に抱き締められればそりゃあドキドキしてしまう。ましてや、こんなところで…保科副隊長の家でしていいことじゃない。わかりませんと答えれば、そかそかと離れていく。
ほなこれは?と指を絡めて両手を握られる。目の前でニコッてしないで…どうしよう、こんなことされたら、ちょろい私はすぐ好きになってしまう。その薄く形のいい唇に触れたくなる。またわからないと答えて、必死に早まる心音を聞かれまいと目を逸らして沈める。
「ん〜そうやなぁ…ほな、ようさん褒めたろか?」
どうして!?さっきからなんなのでしょう…何か試されてる?お風呂が沸いたので上がってからなと言われ、浴室へと連れていかれる。