第24章 副隊長の愛情表現✿保科宗四郎✿裏
次の日もまた食堂で絡まれる。突然後ろから髪を引っ張られて、バランスを崩し引っ張った人物の胸にポスッと収まった。糸目のオカッパ…いつも私を虐める人、私の好きな人。
ボーッと副隊長の顔を見つめていると、突然周りが騒ぎ始める。昨日何をしていたのかと…仮眠室から私の喘ぎ声が聞こえたと言っている。もしかして、あの後も近くにいたのか?実は付き合ってるのかと囃し立てる。
「バレたんならしゃーない…僕が三浦を好きやから、無理やり触ってただけや。こいつは乗り気やない」
「は…?副隊長、私は…」
なんでそんなこと言うんですか…無理やりって…私が本当に嫌がったらやめるじゃないですか。好きだと言われたのに、少しも嬉しくはなかった。
違う、好きなのは私だ。背中につく彼の胸からいつもよりも早い鼓動が伝わってくる。焦っているのか、好きと言ったことが恥ずかしいのか…わからない、どっちも違うかもしれない。副隊長がそんなことで鼓動を早めることはないだろう。
背中を預けたまま離れずに副隊長の手を、私を抱き締めるように回して握る。
「違います…好きなのは私です、副隊長は私のことなんか好きじゃありません」
「……美影…今日も来てや、持っとるから。」
副隊長の方から抱き締める腕に力を入れて、名前を呼ばれればドキドキして顔が熱くなっていく。視界が暗くなり、腕で顔を隠されながら頭を抱かれ、耳元で心の準備してきてやと囁いて離れていった。
心の準備ってなんですか…出来なかったら行かなくていいんですか?副隊長と触れ合った肌が熱い。