第24章 副隊長の愛情表現✿保科宗四郎✿裏
次の日、私が普通にしているのを見た隊員たちは、昼休憩になると副隊長に詰め寄っていた。自分にも訓練をつけてくれと…私を虐める暇もない彼はどないしよ…と困っていた。三浦にしか出来ん訓練やー!と悲痛に叫んでいる。私だけなんだ…と喜んでいるのはバレないようにしなければ。
そんな副隊長を尻目にご飯を食べていると、助けてやと腕を掴まれ、唐揚げが副隊長の口の中へと消えていく。また奪われた。じっと見ていれば、食う?と頭を押さえ込んで顔を近付けてくる。いやいやいやいや…みんなの前でなんてことをするのだと副隊長の顔面を押さえて押し退ける。
「三浦て、僕のことなんやと思うとる?少なくとも、副隊長とは思ってへんやろ」
思ってますよ、一応…こういうことをしてくるあなたが悪い。
「副隊長って、美影に対しての好き好きアピールすごいですよね」
「は……なんや、そう見えるん?僕、好きな子の首絞めたりせぇへんのやけど…優しいからな」
同期の子が副隊長に話しかけると、自分で優しいとか言っている。というか、どれが本当の副隊長なのかわからないのだが…昨日は嘘だと言っていたし、今日は平然とそんなことを言うし…何を信じたらいいの。本気で口移しなんてしない、遊んでるだけだと続ける副隊長はまた唐揚げを1個持って、私の頭を撫でていなくなった。唐揚げ、最後の1個…。
と思ったらまた戻ってきて、今日も訓練をするから来いと言われた。またあんな風に寝てしまうまでされるのだろうか。好きじゃないのなら、もうやめて…。