第24章 副隊長の愛情表現✿保科宗四郎✿裏
目が覚めると副隊長はいなくて、私は副隊長の隊服を抱き締めていた。もしかして、寝た後も握り締めたままだったから置いていったのだろうか。
仮眠室を出て執務室に向かう。まだいるかな…。
近くまで来ると小此木さんが執務室に入っていくのが見えた。2人の話し声が聞こえてくる。
「副隊長、首…虫刺されですか?」
「ん?あぁ…めっちゃ可愛ええ虫に吸われてもうてな」
それって…小此木さんも何かわかったらしく、慌てている声が聞こえる。虫扱いされた。ノックをしながら中に入って、肩に隊服を掛けながら首を隠した。虫じゃないですと呟いてから執務室を出ていく。
執務室を出ると中から可愛ええやろ?と声が聞こえて、慌てて走って逃げた。副隊長が何をしたいのかわからない。寮の部屋に駆け込んで扉に背中を預けながらズルズルとしゃがみ込む。大丈夫?と声をかけられるが、うんとしか返せなかった。そんなに訓練がきつかったのかと心配された。