第24章 副隊長の愛情表現✿保科宗四郎✿裏
午後の訓練を終わらせ重い足取りで副隊長の執務室へと向かう。開いている扉をノックしてから声をかけ副隊長の元へ行くと、はい、とコンビニで買えるちょっと高級なプリンを渡される。
「食堂のプリンがよかったやろか…これで堪忍してや」
まさか買ってきてくれていたとは思わず、お礼も忘れて固まってしまう。ほな行こかと立ち上がった副隊長に気付き、すぐに頭を下げた。ええよええよと答える彼についていき、歩く速度が早すぎて小走りになると、ゆっくり歩いてくれる。ほら、こういうとこなの、好きになってしまったのは…。意地悪ばっかりするくせに、こういう何気ない優しさを見せられて、どんどん沼に嵌っていく。
どこに行くのだろうと黙ってついていくと、仮眠室まで来て、副隊長は私を招き入れて中に入ると鍵を閉めた。仮眠室で訓練?特に出来るようなことはないと思うのだが…。食ってええでと言われてお礼を言ってからプリンを食べ始める。
「寝る訓練とか…って、そんなのあるわけないですよね」
「そやなぁ…まあ寝る、でええんかな?明日動けんくなったらすまんな」
意味がわからず首を傾げながらプリンを食べる。一口頂戴と言われたので、プリンを乗せたスプーンを副隊長の口の中に入れた。空になったスプーンを見てからとんでもないことをしてしまったと気付いた。あーんして、間接キス…何も考えちゃダメだ、既にしてしまったこと、そう言い聞かせて食べ進める。