第24章 副隊長の愛情表現✿保科宗四郎✿裏
副隊長と別れて同期の子と昼食を食べていると、副隊長は絶対美影のことが好きだと言われる。そんなわけあるか、さっきだって本人がはっきり言ってただろう。ないないと首を振って否定し、ご飯を食べ進める。
「あれじゃない?小学生とかがさ…好きな子程虐めたくなるみたいなやつ…」
いい大人がそんなんであってたまるか。あの顔だ、いくらでも女の子落として遊んでるんだろう。とそんなことを考えたが、あの人がそんなことをしていたら絶対に嫌だ、その考えを振り払った。
そんなことをしている間もご飯を食べ進めて、最後に残しておいた大好物のデザート、プリンに手を伸ばす。だがそれは誰かによって奪われ、その人物の口の中に一口で全て入ってしまった。
「ほ、保科副隊長!?私のです!返してください!」
凡そ新人とは思えない行動を取り始める。副隊長の口に指を突っ込んで舌を引っ張り、何してくれてんですかと額を押し付けて睨む。食べ物の恨みは怖いのだ。すでに胃の中に入ってしまったプリンが恋しい…。
すぐに我に返り、驚いて固まっている副隊長の舌から手を離し謝る。お咎めなしとはいかないだろう。
指についた副隊長の唾液を舐めれば、僅かにプリンの甘みが広がる。
また私は…その場で正座をし、申し訳ありませんでしたと床に額を擦り付けた。
「まあええわ、取った僕も悪いし…僕の訓練楽しみやろ?」
ニコッと般若のような笑みを浮かべて去っていった副隊長を、絶望して見つめた。