第22章 マッサージは口実✿保科宗四郎✿裏
土下座をして謝り続けていると、アホやろ…と呆れられていた。
「お前、何歳やと思っとんのや。小学生のガキちゃうやろ」
「誠に申し訳御座いませんでした」
市川はなんやと聞かれ、私が無理やりお願いしたと説明する。さすがにレノくんが怒られることはないだろう、全部私が悪いのだから。
まだ痛いわ…と呟き、鼻を摘んで引っ張られる。謝りながら私はべそをかいていた。鼻が痛すぎる。泣きたいんはこっちやわと鼻から手を離し、今度は両手で頬を引っ張られた。
やらかいなとぐにゃぐにゃと捏ねられて頭が揺れる。あれ?もう怒ってない?と思っていたら、開眼した目が鼻がつく程目の前に来ていた。
「不敬罪や、腕立て150回」
「多くない!?」
「文句言うたから300回や。はよやれ」
倍になった!?市川を巻き込んだこと、くだらん悪戯をしたこと、タメ口を使ったことで150回らしい。今までタメ口のことは何も言ってなかったじゃないか。
大人しく腕立てを始めて、200回を超えた頃、もう無理ぃと床とキスをした。ほっぺが。
「よう床に顔つけれるな。あと100回やろ、気張りや。ちゃんとやったら後でマッサージしたるで」
保科くんのマッサージというご褒美があっては、やり切るしかない。保科くんのマッサージは気持ちいいのだが痛いところもぐりぐりとされるのでめちゃくちゃ痛い…が、次の日ありえない程調子がいいのだ。汗を垂らしながら必死に続けた。
出来れば、毎日頑張ってる保科くんにも何かあげたいのだが、生憎私にあげれるものなんてなくて…モンブランをあげようにも、すでに食べたタイミングで渡したくないのもあり、保科くんのモンブラン事情を把握するのは困難なのだ。