第22章 マッサージは口実✿保科宗四郎✿裏
「レノくんレノくん、ちょっと手伝って欲しいんだけど…」
「三浦さん?なんです?」
一番顔がいい後輩を呼びつけ、同期である保科くんに悪戯をしようと考える。同期である以前に彼はすでに副隊長だから上官にあたるのだが…。同期と言っても、保科くんは私より2歳程歳上。
執務室にいる保科くんをレノくんに呼んでもらい、私はその隙に保科くんの席の机の下に隠れた。そう、レノくんの顔の良さは関係ない、丁度いいところにいたから頼んだだけ。
出来るだけ息を殺し保科くんが戻ってくるのを待つ。少しすると戻ってきて、レノくんが彼の気を引きながら椅子に座らせてくれた。ごめんレノくん、後で一緒に怒られようね。
そっと膝に触れるとビクッといいを反応して吹き出してしまいそうになる。声は出ていなかったけど、いい反応を見れたから満足…と机の下から出ようとすると保科くんも覗き込んできて、額に彼の唇が触れた。
嘘…保科くんにキスされた。いや、完全に事故なんだけども、ただのおでこなんだけども…ずっと好きだった私には大事件で、額を押さえて机の下で縮こまった。こんな顔見せられない。
「三浦?何しとるん?はよ出てき…って、嫌だったん?事故やろ、君が変なことしよるからあかんねんで?」
見ないでと椅子の足を引き寄せて完全に隠れてしまう。保科くんの足の間で余計恥ずかしくなってしまったと自爆していると、レノくんは帰ったようだ。今更になって、いい大人が何をしてるんだろうと、保科くんの股から覗く椅子に額を預けた。
アホ、そこやめろと頭を押されるが、こんな顔は見せられないと必死に抵抗する。保科くんの手の力が一瞬緩んで、私の顔はダイレクトに彼の大事な部分に突っ込んでしまった。頭上から痛みに喘ぐ声が聞こえて、本当にごめんと顔を離して謝る。だが私の頭の中は、顔面に残るむにゅっとした保科くんの感触のみが蔓延っていた。