第21章 忘れられない✿保科宗四郎✿裏
目が覚めると胸が苦しくて涙を流していた。昔の夢…私が自身の未来の為に過去を捨てた時の夢。宗ちゃん、今でも大好きだよ…一生忘れない。例えもう会えなくてもずっと想ってる。
「美影、どうした?」
「弦くん…宗ちゃんの夢を見て…」
弦くんは頭を撫でながら私を腕の中に閉じ込めた。十数年前、抱き締めてくれた宗ちゃんの温もりは忘れてしまった。
会いたい…宗ちゃんに会いたい。でもあの日、宗ちゃんを置いてきた私にそんな資格はない。
宗ちゃん宗ちゃんと何度も呟く私を、弦くんはずっと慰めてくれた。