第20章 練習やで?✿保科宗四郎✿裏
「ほな、次は初夜やで?ベッド連れてってや」
ベッドまで使う必要はあるのか…ないだろうが従い、こっちですと寝室へ向かう。
「君、結婚式終えた直後に、旦那にそんな風にベッドに連れてってもらいたいん?」
そこまでする必要ないだろう!?と心の中で言い返しながら、副隊長の肩と膝裏に手を持っていき、渾身の力を入れて持ち上げた。そこまでしろとは言うてへんけど…とうるさい。私がどうされたいかの話だろう、なら私はこんな風に副隊長に連れてってもらいたいですよ!と言葉には出せずに、足を踏み込みながら寝室へ向かった。
この人、見た目の割に重すぎる…そうだこの人、筋肉だった。華奢な見た目をしているが、本当は筋肉だらけで重いのだ。
ぷるぷるしながらなんとかベッドまで辿り着き、きつすぎて投げ捨ててしまった。
「もぉ、花嫁は丁重に扱ってや!」
どこにそんなゴリマッチョの花嫁がいますか…いや、いるかもしれないが、結婚式までには調整するんじゃなかろうか。その辺はよく知らないけど。
はよ上乗ってと言う副隊長を見つめて、何を言ってるんですかと首を傾げた。
「はぁ…君がいつも男に抱かれてるみたいにしぃや」
抱かれたこともないのにどうやって?とはさすがに言えず、わかりませんとそっぽを向く。
わからんことないやろと言いかけた副隊長は、少し固まって何かを考えている。