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魅惑の恋【保科宗四郎多めごちゃ混ぜ短編集】

第20章 練習やで?✿保科宗四郎✿裏


なるべく下着姿を長く見られないように急いで着替えて、副隊長の方を向いた。襟元を整えられて、ピクッと肩が上がる。その反応を見た副隊長は、ふっと鼻で笑った。

「ほな、キスやな。結婚式言うたら、誓いのキスやろ」

そっか、練習…ヴェールの代わりになるもん借してと言われて、ストールでもいいかと慌てて引っ張り出してくる。わざわざここまでする必要があるのかと内心疑問に思いながらも、副隊長の言葉にはしっかり従った。

ストールを持ってきて副隊長の頭に掛ける。そのままゆっくり捲って顔を近付け、もう少しで唇がくっつきそうになり止めた。本番でも本当にすることはないだろう。
そう思っていたのに、唇は重なり、薄くて柔らかな唇にふにっと押され、離れていく。副隊長とキスしてしまった。

悪戯が成功したというようにニヤッと笑った副隊長を見つめ固まる。顔が熱い…恐らく真っ赤になっているであろう私の顔を見て、初めてやないやろと笑う彼に何も言い返せず、ストールを奪い取って頭から被り顔を隠した。
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