第20章 練習やで?✿保科宗四郎✿裏
リビングに戻るとワンピース姿で足を組んでスマホ弄っている副隊長がいて、あまりのかっこよさに目眩がした。女装していてかっこいいとは意味がわからないと少し睨んでから、ご飯先に食べましょうと先程作っておいた物を温めて出す。
ありがとうと言いながらスマホを置き、箸を持って食べ始める副隊長に見入ってしまう。ご飯を食べるとこなんてよく見てるのに、服装も相まってか所作が綺麗過ぎる。肩から覗く立派な上腕二頭筋がなければ完全に女性だ。メイクもウィッグもなしでそう見えてしまうのだから、相当綺麗な人だ。
ご飯を食べ終わり着替えてと正装隊服を渡される。着替えて来ようと寝室に行こうとすれば、ここでええやろと止められた。確かにもうほとんど見られてしまっているけれど、さすがに恥ずかしい。
「三浦、なんで僕の相手に君が選ばれたか知っとる?」
「え、たまたまじゃないですか?」
「僕が君との接点が欲しいって、亜白隊長に言うとったからや」
えー今それ言います!?と内心大暴れしながら平静を装い、どうして?と聞き返してしまう。なんとなくその先の言葉には気付いていたのに…聞きたくなってしまった。
「教えへん。ちゃんと練習付き合うてくれたら言うたる」
まさかの予想の斜め上を行かれて、着替えたらいいですかと大人しく従っている自分の気持ちには気付いていた。