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魅惑の恋【保科宗四郎多めごちゃ混ぜ短編集】

第19章 弱った副隊長は✿保科宗四郎✿


タクシーで保科副隊長の家まで行き、風呂に入りたいと言う彼をシャワーだけで済ますよう言って、浴室へと連れていく。場所がわからないので教えてもらって、私の肩に力無く頭を預け寄りかかってくる彼の隊服を脱がした。
まさか、ただの一般隊員が彼の介抱をすることになるとは思わず、心音を早らせながらあまり見ないように全てを脱がせた。

「はは…心臓やばいなぁ…僕のこと好き?」

「えっ……いやあの、それは…」

「ははっ、なんや…図星か。僕も同じやで…」

唐突な言葉に手をわなわなと動かし顔に熱を集中させながら、どこからどう見ても肯定している態度を取ってしまう。そして、同じと呟かれたことによって、余計頭が混乱した。
とりあえず私も隊服のズボンを脱いで浴室へと押し込む。隊服の下にはレギンスを履いているので、見られても大丈夫だ。

大人しく洗われる彼を見て犬か何かと思ったが、この人は絶対猫だと意味のわからないことを考えて、早る心臓を必死に治める。看病なのだからドキドキしてはダメだと言い聞かせながら、副隊長の身体を洗った。

「……僕のもんなってくれるんやろ?」

え、あ…と言葉にならない声を零し笑われて、なってと懇願される。弱ってる時に一緒にいたから勘違いしてるだけですよと浴室を出て着替えを探す。
嫌や、ちゃう…と呟く彼にどれ着たいんですかと問うた。

「ちゃう…ずっと前から好きやったんや…そないなこと言わんで…」

「え…すみません、ありがとうございます。でも、私のような平隊員が副隊長の恋人なんて、みんなが許してくれませんよ」

どうでもええやん…と裸のまま抱きつかれて、ドッドッドッと心臓がありえない程早く脈を打つ。好きや、好きやぁ…と何度も呟きながら頭に口付けられた。弱っている彼は胸焼けがする程甘い。
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