第18章 私を愛して…✿保科宗四郎✿裏
5分もしないうちにリビングに来た彼は…何故か隊の正装を着ている。
え、かっこよすぎて鼻血出そう。
すぐに鼻を押さえた。
「え、なに?無理…やめて、死んじゃう。かっこいい好き。心臓やばい…大好き。」
「……ぷっ!だーはははっ!ちょ…あははっ、なぁ可愛過ぎるやろ…くくっ、あかん、可愛過ぎて笑い止まらへん…ふっ…はははっ!」
笑い過ぎでは?
あかん、締まらん…と笑いながら涙を拭っている。
笑ってるのも最高…と昇天しかける。
しろちゃんのことが好き過ぎる自分は、意外と好きだった。
だって、こんなにも誰かを好きになったことはないし、好きな人といれるのも、辛かったけど楽しかった。
愛されなくてもいいと思いながらも、ずっと愛して欲しいと思っていた。
だってきっとそれは…私の何よりの幸せだと思うから。
深呼吸をして笑いを抑えたしろちゃんは片膝をついて、小さな箱を差し出し、パカッと開けた。
っ!それって……。
「僕は三浦美影というたった一人の女性を愛しています。これからもずっと一緒におりたい。必ず幸せにすると誓います。僕と結婚してくれませんか?」
お風呂上がり、2人が住む家、正装を纏っただけの彼。
そんな雰囲気も何もない空間が、どんな場所よりも素敵に思えた。
「ッ…うっ、あ……。」
言葉が出ない、嬉しい、嬉しい…大好きしろちゃん。
涙が溢れて大好きなしろちゃんさえ歪む。
嗚咽ばかりが溢れて言葉を紡げない。
「あ、うぅ…ふっ、うっ…。」
「ゆっくりで大丈夫やよ。頷いてくれるだけでもええ。」
何度も頷きながら勢い良く抱きついた。
大好き…大好き、ありがとう。しろちゃん愛してる。
想いが溢れて止まらない。
大好きな人にプロポーズしてもらえるなんて、思ってもいなかった。
結婚も私から切り出すのだろうと思っていた。
「あっ…ありがっ…ありが、とっ…っ、わ、私も…しろちゃん、ッ、くっ…幸せに、するっ…!」
「ふふ、ありがとう。2人で幸せなろな。そない泣いて…僕まで泣いてまうわ。」
背中を優しく撫でながら聞き取れもしない私の言葉を聞き取って、朗らかな声で答えてくれる。
しろちゃんは私が泣き止むまでずっと背中を撫でてくれていた。